手描きの下絵をスキャンし、それにPhotoshopで色を付けたいのですが?
まず考えるのは「線画の白い部分を透明にして、その下のレイヤーに色を付ける」ということですが、これは実は簡単ではありません。もしどうしてもこれを行いたいのであれば、スキャナのドライバ設定で「モノクロ2値」(グレーの部分がまったくない画像)にし、できるだけ高い解像度でスキャンします。こうして取り込んだ画像なら、Photoshopで「色域選択」や「自動選択ツール」(「隣接」のチェックを外しておく)を使って白い部分だけを選択し、「削除」を行えばその部分が透明になります。あとは必要な解像度に落としましょう。
しかし、この方法では鉛筆画などでは薄い部分が白になってしまったり、濃い部分はベタ塗りになったりと、思うように取り込めない事があります。そういった場合は、「白を透明にする」という事は忘れ、以下のような作業を行ってみてください。
1.「背景」レイヤーをダブルクリックし、「レイヤー0」にする
2.そのレイヤーの描画モードを「乗算」にする
3.新規レイヤー(レイヤー1)を作り、それをレイヤー0の下になるようにする
(レイヤーパレットでどちらかのレイヤーをドラッグして上下関係を入れ替えればOK)
4.レイヤー1に色をつけていく
もしこの方法では線画が薄すぎる場合は、「レイヤー0」をコピーして2、3枚同じものを重ねるのも良いかと思います。
また、こうした手描きのための方法は他にもいくつもあり、それ専門のサイトも調べられるといいでしょう。掲示板でよく出てくるのは「らくがき本舗」さんでしょうか。リンク許可をとっていないので、URLは検索サイトでお調べ下さい。
※実際に手描き原稿をスキャンされている方から、下の方法を教えていただきました。なるほど、これは良いです。ぜひお試しください。
ただし、色の暗さ(どれだけ黒に近いか)が透明度に反映されますので、色が薄めの原稿の場合は事前にレベル補正などを使って濃く(黒に近くなるように)しておくほうが良いかもしれません。
1.元絵を全てを選択
2.コピー
3.新規レイヤーを作る
4.主線の色にしたい色で新規レイヤーを塗りつぶす
5.クイックマスクモードにする
6.ペースト
7.クイックマスク終了(点線で主線が選択範囲にされる)
8.デリート
9.主線レイヤー完成
画像を切り抜いて(クリッピングパスをつくり)Illustratorに配置するには?
写真の一部分だけを切り抜いた画像をIllustratorに配置したい場合、あらかじめPhotoshopで「クリッピングパス」をつくっておく必要があります。ここでは2つの方法を記します。
方法a (背景が単色で自動選択ツールで選択しやすい場合)
1.自動選択ツールで背景を選択します。
2.「選択範囲→選択範囲を反転」を選びます。この時、「選択範囲→選択範囲を変更→縮小」で1〜2pixels縮小しておくと、あとでIllustratorで配置した際に余分なはみ出しが少なくなります。
3.パスのパレットの右上の三角矢印から「作業用パスを作成」を選びます。
平滑度は「0.5」のままで良いです。
4.画面を拡大表示させ、パスがはみ出したりしていないかどうか確認し、パスを白い矢印ツールで部分的に調整します。
5.パスのパレットの右上の三角矢印から「パスを保存」を選びます。名前は「パス1」のままで良いです。
6.パスのパレットの右上の三角矢印から「クリッピングパス」を選び、パスを「なし→パス1」に、平滑度は空欄のままで良いです。
7.「ファイル→別名保存」で「EPS」形式で保存します。
8.Illustratorで「ファイル→配置」で、さきほど保存した画像を選びます。
方法b (背景が自動選択ツールで選択しにくい場合)
1.パスで切り抜きたい部分を囲んでいきます。パスを引く際に注意することは、切り抜きたい部分と背景のギリギリの輪郭線ではなく、少し内側に(背景がはみ出ないように)パスを引いた方が良いでしょう。
2.パスのパレットには今つくったパスが「作業用パス」になっていますので、パスのパレットの右上の三角矢印から「パスを保存」を選びます。名前は「パス1」のままで良いです。
3.上記『方法a』の手順6以下に同じ。
※うまくいかない場合は下の項目をチェックしてみてください。
◎クリッピングパスをつくったのにIllustratorで配置した時に切り抜かれない
→パスを保存してクリッピングパスをつくり、EPS保存しているかどうかもう一度確認してみてください。
→パスがグルリと囲まれた状態(パスが閉じた状態)でないと、クリッピングパスをちゃんと設定していても、切り抜いた状態に表示されませんので、もう一度パスを確認し直すか、パスを作り直してみてください。
◎クリッピングパスで切り抜いた「内側を」くりぬいた状態にしたい
→ドーナツの写真を例にすると、ドーナツの外側の円を囲んだパスと、内側の円を囲んだパスをつくって、クリッピングパスにするとOKです。ただしこの場合、外側の円は「パス1」、内側の円は「パス2」というパスパレットの状態だと、クリッピングパスはどちらか一方にしか設定できませんので、パレット上で必ず一つの階層上にパスをつくってください。
人物をキレイに切り抜くには?
最初にお断りしておきますが、いかにPhotoshopといえど「ボタン一発 で切り抜く」ような事はできません(笑)。 ブルーバックのような単一色の背景で撮影した写真ならともかく、普通の写真において「切り抜き」は細かな手作業となり、これはそれなりの根気と慣れが必要です。この出来、不出来が作品の質に直接関わってきますし、これをいかにうまく行えるかがPhotoshopひいては画像処理の上手・ヘタと言っても過言ではないかと思います。
切り抜くことは、ほぼイコール人物部分を「選択範囲にすること」です。選択範囲ができさえすれば、あとは単色でまわりに色を 塗るなり削除するなりして、人物部分だけを切り抜くことができます。
部分や状態によって 適したいくつかのツールがPhotoshopには用意されていますが、とりあえず万能で わかりやすく、おすすめなのは「クイックマスク」を使う方法です。これについて はExample7をご覧下さい。
画像のまわりをぼかす(背景にとけ込ませる)には?
←こういう画像を作る方法です
いくつも方法はあると思いますが、比較的簡単にできそうなのを2つほど書きます。
方法a
1.矩形選択ツールで画像のまわり以外の部分(ぼかしたくない部分)を適当に選択する。
2.「選択範囲→境界をぼかす」を選び、適当な数値(画像によりますが、通常10〜100pixels程度)に設定して実行する。ここの数値でぼかしの幅が変わります。
3.「選択範囲→選択範囲を反転」を行う
4.「編集→塗りつぶし」を選び、「使用」を「白」または「描画色」等にして実行する。
方法b
1.ブラシツールを選び、ぼかしのある大きめ(通常、直径20pixels以上)のブラシを選択する。ブラシの直径でぼかしの幅が変わります。
2.shiftキーを押しながら、画像のまわりをブラシが半分ほどはみだすような位置で描く。
a4やb1を行うとき、白以外の色を選ぶこともできますので、HPの背景色に合わせるといいでしょう。なお「HPで設定した背景画像に対してだんだんととけ込ませる」ことは基本的にできないと考えてください。画像のフチ(この例で言えば白い部分)に背景画像(またはそれに近い色)を使うことで擬似的にそう見せているだけです。この点については下の「丸い画像や多角形の画像はどうやって作るのですか?」や「透過GIFの作り方は?」も読んでください。
また、a1で「楕円形選択ツール」や「なげなわツール」等を使って選択範囲の形を 工夫することで、下のようないろんな形が作れます。
透過GIFの作り方は?
いくつか方法があります。ここではどのバージョンのPhotoshopでも使える、もっとも確実な方法をひとつ紹介します。
1.あらかじめ、透過させたい部分を、他の場所で使っていない色に塗りつぶしておきましょう。
2.「イメージ→モード→インデックスカラー...」を選び、減色します。
プレビューを見ながら色数をできるだけ少なくすると良いでしょう。
3.「ファイル→データ書き出し→GIF89a書き出し...」を選びます。
最初に出てくるウインドウ上にあるスポイトの形をしたツールを選び、透過させたい色の部分をクリックします。複数の色を透過させる事ができます。
Photoshop5.5以降(Elements含む)では、レイヤー上だけに画像を置き「背景」レイヤーを不可視にした状態(つまり透明にしたい部分が薄いグレーの格子状に見える状態)で「ファイル→Web用に保存...」コマンドを選び、「透明部分」のチェックを入れてからGIFの設定をすれば簡単に透過GIFを作れます。
これを行うために、最初から新規レイヤーを作ってそこに描き、「背景」レイヤーには何も描かないようにしておくようにしましょう。
なお、GIF形式は最大でも256色までしか扱えないため、写真などには不向きですし、ボカした部分(たとえばボタンにつけた影や、ボケのあるブラシなど)をきれいに透過させることは不可能です。こういう場合は、あらかじめその画像を置くHPのバックと同じ色やパターンを背景色にして画像を作りましょう。上にある「画像のまわりをぼかす(背景にとけ込ませる)には?」のQ&Aや、サンプルをこちらにおいていますので参考にしてみてください。
ちなみに透過GIFはあくまでHP上、すなわちIEなどのWebブラウザで見た場合にのみ画像内の一部分が透過されるというもので、Webブラウザ以外のアプリケーション上では透過しません(私は未確認ですが、エクセルなど一部のソフトでは可能だそうです)。
丸い画像や多角形の画像はどうやって作るのですか?
基本的に画像は正方形または長方形の「矩形」でしか保存できません。
少なくとも現状のパソコンで扱える画像はこの形だけです。
HPなどで丸い画像や三角の画像、あるいはまわりがぼけた画像などを見かけます。上の質問からの繰り返しになりますが、これは「画像の周辺部」つまり不要な部分を、そのHPの背景色(またはそれに近い色)で塗りつぶしているのです。
下の3つの画像のうち、丸く見えるのは左端のものだけですが、実際にはこのページの背景色に合わせて単にまわりを白く塗っているだけです。このページの背景が黄色ならば中央の画像を、背景が黒であれば右端のような画像を作ると、そのページ上では丸い画像のように見えることになります。
また、前項目から繰り返しになりますが、透過GIF(上記参照)を使う方法もあります。しかしこれはWebブラウザで見た場合だけに有効な形式で、画像そのもののデータは矩形ですし、Webブラウザ以外のアプリケーション上では背景は透明にはなりません。
人物をキレイに切り抜くには?
最初にお断りしておきますが、いかにPhotoshopといえど「ボタン一発 で切り抜く」ような事はできません(笑)。 ブルーバックのような単一色の背景で撮影した写真ならともかく、普通の写真において「切り抜き」は細かな手作業となり、これはそれなりの根気と慣れが必要です。
切り抜くことは、ほぼイコール人物部分を「選択範囲にすること」です。選択範囲ができさえすれば、あとは単色でまわりに色を 塗るなり削除するなりして、人物部分だけを切り抜くことができます。
部分や状態によって 適したいくつかのツールがPhotoshopには用意されていますが、とりあえず万能で わかりやすく、おすすめなのは「クイックマスク」を使う方法です。これについて はExample7をご覧下さい。
JPEG方式で保存ができないんですが・・?
JPEG形式で保存する前に、次の作業を行って下さい。
・レイヤーを統合し、「背景」だけにしておく
・RGB以外のチャンネル(アルファチャンネル)を削除しておく
JPEGに限らず、画像形式によっては以上の作業(または片方)が必要になる場合がありますので、覚えておいてください。
ただし、Photoshop5.5以降(Elements含む)においては、「ファイル→Web用に保存」を使うことで上記の作業は必要ありません。
白色であるはずの色がベージュ色に表示されてしまいます
Photoshop5.5でよく起こる症状のようです。
とりあえず、「ファイル→カラー設定→RGB設定」のところの「モニタ補正を行って表示」のチェックをはずしてみてください。
カーソルがツールの形ではなく詳細カーソルになってしまいました
キーボードのcaps lockキーが押されて(ONになって)いるとこうなります。
Photoshopのフォント(字体)を増やすにはどうするのですか?
フォントは、「Photoshopに」追加するものではありません。「システムに」追加するものです。ここで言うシステムとは、WindowsやMacOSなどを指しています。
システムにフォントを追加すると、Photoshopに限らずワープロやドローソフトなどほとんどのアプリケーションでも使えるようになります。
具体的な追加方法は、製品のマニュアルを読むなり、ダウンロード元の説明を読むなりしてください。
このHPのExample2の説明にある「フロート選択範囲」が出てきません
Example2など最初の頃の作例は、まだPhotoshopのバージョンが「3」だったころに書いたものです。バージョン「4」以降では操作を多少変えなければなりません。具体的には
1.背景にする画像を用意し、新規レイヤー(レイヤー1)を作る
2.文字マスクツールで文字を入力する (文字型の選択範囲ができます)
3.「選択範囲の記録」をおこなう
4.黒で「塗りつぶし」をおこなう
以上の作業をしたあと、手順の4つめから始めて下さい。
古い作例も、すべて新しいバージョンのPhotoshopを使って書き換えればいいのですが、時間もありませんし、現在より新しいバージョンが出たらまた全部書き換え・・・ということになりかねませんので、そのままにしています(笑)。
ただし、こうした作例も書籍版「デタラメPhotoshop」では新しいバージョンのPhotoshopを使って書き直していますので、わかりにくい場合はこちらを参考にしてみてください。
Example22「海水」の応用作例の作り方が知りたいのですが。
メールで多くの方に質問されました。ですが正直申しまして、これは少々複雑な手順をふんでおり、作業そのものは難しくはないのですが文章で説明するのは困難なのです。最低限「遠近法を使う」と聞いて「あー、こういうふうにするのかな」という程度の知識をお持ちでないと、説明するのは不可能です。逆にそのくらいの知識をお持ちの方なら、何も聞かずとも作り方が憶測できるレベルのものです。
背景レイヤーはブルーの塗り潰し、そしてその上に2枚のレイヤーを作り、変形させた「海水」画像(海面と海底)を置いて、レイヤーマスクを使い背景のブルーにとけ込ませます。
と聞いてやり方がわからない場合は、Photoshopの基礎あるいはグラフィックソフトの基本というものを書籍などで少し学ばれると良いかと思います。
なお、斜めにさしこむ淡い光は私のオリジナルで、画像傾けた状態で「風」フィルタと「ぼかし」を使い作成しています。もうひとつの応用作例の、地面から吹き出す炎と基本的には同じフィルタの使い方と言うとわかりやすいかもしれませんね。もっとも、手描きでもそれらしい線は描けるでしょう。
あまりお力になれず、申し訳ありません。
日本語入力ができなくなりました
「CMapファイルがない」というエラーメッセージが出て日本語フォントの入力ができなくなる現象ですが、これはそのメッセージの通り「CMap」ファイルが何らかの理由で消えてしまっているか、認識できなくなっているのが原因です。
バックアップがあればコピーして元に戻す手段もありますが、最も確実な方法はPhotoshopの再インストールです。
なおPhotoshop日本語入力に必要なCMapファイルの在処は、
●Macintosh
起動ディスクのシステムフォルダ--Commonフォルダ--CMapsフォルダ
●Windows
C:\Program Files\Common Files\Adobe\Fonts\Reqrd\CMaps
に格納されている場合がほとんどです。
Photoshopが英語版になってしまいました!
Photoshop(5.0以降)フォルダの中に「Tw10428.dat」というファイルはありますか? これがなかったり、壊れていたりするとメニューなどが英語表示になって起動します。
バックアップがあればそれをコピーし、なければPhotoshopを再インストールしてください。
Photoshop Elementsとフル版Photoshopの違いは?
PhotoshopElementsは、フル版Photoshopの弟分であり、これからコンピュータでグラフィックを始めようというユーザーにぴったりのソフトです。 初心者用と言ってユーザーを小馬鹿にしたようなソフトではなく、「写真の補正や加工がしたい」「パソコンでお絵描きがしたい」「画像の合成がしたい」などの一般的な用途には十分な機能を有しています。価格はフル版Photoshopが9万円前後なのに対し、Elementsは1万円強しかしませんが、普通の使用に限ればその価格ほどの違いはないと言えると思います。
ここではPhotoshop Elements1.0のPhotoshop6.0との主な違いをあげてみます。
1.カラーモードが少ない(事実上、CMYKモードを必要としなければ問題なし)
2.チャンネルパレットがない(アルファチャンネルなど、チャンネル編集ができない)
3.クイックマスクがない
4.レイヤーマスクがない
5.レイヤースタイルに制限がある
6.レイヤーセットがない
7.ペンツールとパスパレットがない
8.アクション機能 抽出コマンドがない
9.ImageReady(Web画像作成ソフト)が付属しない
10.赤目修正ツールがある
11.Photomerge(パノラマ作成)がある
12.フィルタブラウザ、エフェクトブラウザ レシピ機能がある
Photoshop LE(Limited Edition)とフルバージョンの違いは?
製品として売られている「Photoshop5.0LE」には、フルバージョンの5.5と比べ以下のような機能の違いがあります。(スキャナ等にバンドルされている「LE」は、いろんな仕様があるようなので、この限りではありません)
1.チャンネルパレットがない(チャンネル編集ができない)
2.ヒストリーパレットがない
3.アクションパレットがない
4.CMYKやLabのカラーモードが使えない
5.「レイヤー効果」がない
6.「Web用に保存」コマンドがない(従来の方法でJPEG、GIF保存は可)
7.ImageReadyが付属しない(5.5に付属)
8.マジック消しゴムツール(5.5の新機能)等がない
9.ヒストリーブラシ(5.5の新機能)がない
10.マグネット選択ツールがない
11.文字の縦書き機能がない
12.グラデーションのバリエーション(菱形など)がない
13.「パターンを定義」できない
こうして書くとかなり削られているように感じますが、元の機能が多いですから全体からみると「一部機能の削除」と言えるかもしれません。最も大きな差は1番と2番でしょう。ちなみに、以前単独で売られていたPhotoshop 5.0LEは、(おそらく)すべてのフィルタを装備しています。
現在LEという製品はなく、Photoshop Elementsがその役割を果たしています。
解像度(dpi)って何ですか?
ほとんどの場合、「解像度」と言えば「密度」の事です。
とても一言では言えませんので、「解像度(dpi)について」のところを、理解しながらよーく読んでみてください。
Photoshopはどこからダウンロードできるのですか?
Photoshopはアドビ社のれっきとした商品です。パソコン店でお金を出して買いましょう。
なお、アドビ製品の体験版はこちらからダウンロードできますが、Photoshop5.5の場合74〜100MBと、かなり大きなファイルですのでご注意を(笑)。 |